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  • Yamao

11ヶ国へ旅をした。それでも僕が走る理由。(1)


-旅のはじまり



「11.67」


ああ、なんで俺走ってるんだろ。

大学1年生の時に出した記録。この記録は中学2年の自分にすら負けていた。

今でも忘れない。使わないママチャリのロック番号は今でもこの番号だ。


「陸上競技部やめよ、楽しくないし」


そんなことを考えながら、どこかやめれられない自分がいた。

大学の友達、高校の恩師、どんな時でも応援してくれる親。

自分が発する「やめる」の一言で全てがぱちっとはじける気がして言い出せなかったのかもしれない。ただどこかで陸上から離れる理由を探していた。


そんな時に見つけたもの。それが「留学」だった。

思い返してみれば英語も嫌いじゃないし、国際交流にも興味がある。人生でも海外に行ったことがない。いつからか僕は死に物狂いで留学の情報を求め、動き回っていた。


そこから約1ヶ月後。3月のとある日。


「選考の結果、合格となりましたのでお知らせします」


部のMTGの真っ最中。MTG中叱責を受けているときに僕の携帯に飛び込んできたのは「合格通知」だった。


「やっと陸上から解放される」


そんなことを考えながら時が流れていった。


留学が決まってからの自分は生き生きしていた。シーズンが始まったにも関わらず「あと4ヶ月、あと3ヶ月」と留学までのカウントダウンに胸を高鳴らせていた。


周囲にも留学に行くことを徐々に伝えていった。思ってたよりも応援してくれた人が多く、嬉しい気持ちを胸に着々と準備を進めていたのを覚えている。



そしてついに出国当日。ドキドキとワクワクが止まらない。

この先の生活など全く想像することもできずに出国手続きを済ませ、イミグレーションを抜けた。



「どんな5ヶ月が待っているんだろう」




「陸上」などという言葉は、自分の頭からすっかりと消え去っていた。




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