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密でもOK! でも厳しいドイツのコロナ事情と国民性

更新日:2021年11月4日

ライターのりょうすけです。もう聞き飽きたかもしれないコロナの話ですが、少し違う視点の内容だと思うので読んでいただければ嬉しいです。

 

ドイツに来てから一週間が経った。この時期の渡航とあってコロナに関して気づくことが多くあったので個人的感想も含め紹介したい。



フランクフルト朝5時に到着。外は真っ暗。日の出時間を調べたら7:30。治安があまり良くないフランクフルト中心街を大きいスーツケースを引き、警戒しながらホテルへ向かった。途中空港から電車に乗った。空港はもちろん電車内は皆マスクをしていた。ホームもほとんどの人がマスクをしっかりしている。医療用マスクが義務付けられているからか、立体型のマスクをしている人も多い。しかしホームを出るとマスクをしている人は10人に1人かそれ以下だ。日本では見られない光景だろう。チェックインを済ませ朝食を求め街に出た。ドイツには3Gというルールがある。3G(Geimpft: ワクチン接種済, Getested: 検査済み, Genesen: 回復済み)いずれかの証明書(QRコードや紙)を提示しないと屋内施設(レストランやカフェ、美容院、ジムなど)に入店できないという厳しいルールだ。私はこのルールがあることを日本にいるときに知り、渡航を延期し、2ヶ月ほど日本から様子を見ていた。ドイツ大使館や大学から公式な(厳しい文面の)情報を得ていたため、ドイツ生活は、厳しいコロナ規制で窮屈なものだと想像していたが、それは私の思い違いだと、初日に気づいた。






  初めに朝食を済ませたレストランに3Gの提示は求められなかった。店員さんが特に気にしてないから?理由は分からない。次は楽しみにしていたシュテーデル美術館に行った。入り口で3Gの提示を求められた。館内ではマスクをして自由に動ける。入場制限は無い。さすがヨーロッパの美術館。展示数が多くて歩き疲れた。美術館のあとはマイン川沿いを歩いてフランクフルト大聖堂に向かった。散歩する人、ジョギングする人、犬の散歩する人、外ではほとんどの人がマスクをしていない。大聖堂に到着。皆、教会の目の前でマスクを着けて入る。ドイツは基本的に屋内はマスクが義務付けられているのだ。そのあとはスーパーに行った。ここも屋内施設だからマスクは必要。ちなみにスーパーは生活に必要な施設ということで3Gルールは適用されていない。教会もそうかもしれない。おやつを食べようとカフェに入った『Here or take out?』と聞かれたので店内で食べると答えると3G証明を求められた。しかし店内は日本のように、ついたて板があったり座席を空けていたりする訳もなくコロナを感じさせない雰囲気だった。


 フランクフルト観光を終え、Stuttgart大学へ向かった。これから2年ここで勉強する。入寮して初日、キャンパス内でパーティーがあるというので友達に誘われ行った。そこでも入場には3G証明が必要だった。入場すると驚くことにそこには200-300人(数えられない)ほどの学生が集まりビール片手に楽しんでいる。クラブのようなものだ。中に入ると、人にもみくちゃにされて前に進めない。音楽も爆音で、顔を近づけないと話せない。いわゆる密の究極版。しかしあくまで3Gルールを守っているから問題ない。ただ、ワクチン先進国で感染が再拡大している国があること踏まえると、果たしてこの状況は大丈夫なのかと思ったが、法律的には何も問題ない。私もしっかり楽しんだ。この日は長旅後のパーティーで疲れ12時過ぎにおねむした。



 まだドイツに着いて一週間しか経っていないが、コロナ規制に関して日本とドイツの違いを一つ確信した。それは、日本は法律以上に雰囲気で厳しく行動しようとする傾向があり、反対にドイツは法律を守った上で、あとは好きに楽しもう精神だ。もちろん一概には言えないけれど、全体を見ているとそんな感じがする。具体例を出すと、ドイツでも日本同様、電車内の乗客は全員マスクをしている。しかしドイツでは「公共交通機関内でのマスク着用は義務」であり、日本では義務ではない。ドイツで暮らす人々は法律で義務付けられているからマスクをしているのであって、屋外では法律がないから自由に外している。逆に日本では、本来電車内でのマスク着用は個人の自由であるのに、ほとんどの人がマスクをし、マスクをしていない人を非難しトラブルになることもある。そんな状況では、法律よりも雰囲気がその場を支配してしまっている。人がもみくちゃになるようなイベントを、たとえ3G証明があったとしても今の日本でできるだろうか。ドイツでは法律さえ守ればできてしまう。もちろん、どちらが良い悪いの話ではなく、コロナ規制に関して、できるorできない、正しいor正しくないの判断基準が、ドイツでは法律にあり、日本では法律+雰囲気(たまに雰囲気が勝ってしまう)にあるところが面白い。



 ここからは私の意見。私はコロナ規制に関しては、法律で良い悪いが明らかになっているドイツの方が過ごしやすく感じる。日本で、暑い日に、走ったあとマスクをするのは辛い。それも法律で義務付けられていないのに。日本人の、周りを気遣う心は本当に尊敬できるし、コロナ以外では私も大好きな文化だ。それでもやはり、息苦しいときのマスクは辛い。ドイツでは、屋内ではマスク、外は自由、そのように法律でしっかり決まっているから実に楽だ。

 コロナというのは目に見えない。どうしたら感染を防げるか、何が危険か、簡単には分からない。2年近く経った現在、専門家ですら感染経路を明らかにしていないのに、私たちが独自で正しい判断を下すのは難しい。そんな難しい感染対策のルールを、雰囲気が作り出す“社会のマナー”で決めるのは無理があるし危険だ。例えば、マスク着用義務がない日本の電車内で、マスクをしていない乗客に対して他の乗客がマスクを強制したり暴力を振ったりしたとする。この場合暴力を振った人が明らかに脅迫罪や暴行罪に問われるべきであり、「マスクをしていなかった人もマナーが無いよね〜」という議論には決してなってはいけない。ドイツも日本も法治国家であり法律の下で善悪が決まっている以上、法律を守ることが一番のマナーであろう。その点で、法律という共通の判断基準に基づいて生活できるのはとても安心できる。電車内でマスクをしていない人を善意で注意するのも、される方も、面倒だろう。逆にドイツではマスクしていない人は電車から追い出される…….かは分からないけど、少なくとも、追い出す権利を車掌さんは持っているはず。法律で決まっているから文句は言えない。私は、人々の共通の理解の上にある法律に基づいて皆が行動する、そんなドイツの方が、必要以上に気を遣わずに安心して過ごせるような気がしている(変な法律ができないように、そこは民主主義の力で頑張らないといけない!)私の大学では3G証明の条件付きで対面の授業が始まった。対面になったのは実に一年半振りらしく生徒も先生もワクワクしている。これ以上規制が厳しくならないことを願いドイツで楽しく過ごしたい。

  ご飯や観光などの楽しい記事はこれから!🍺

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